Blog記事一覧 > 野球肘 - さこだ整骨院|足立区西新井大師駅の記事一覧
野球肘
野球でボールの投げすぎ
正しくない身体の使い方
肘関節に負担のかかる投球フォーム
投球に関わる肘関節障害を
まとめた呼び方が「野球肘」です。
好発年齢は10〜16才で
そのほとんどは野球の投手または捕手であることから
野球肘または投球障害肘と呼ばれます。
障害が発生する部位によって
①内側型
②外側型
③後方型
の三つに分類されます。
内側型障害では
肘関節内側側副靭帯損傷
上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)
が主な原因になります。
内側上顆に付着する筋肉は
①円回内筋
②橈側手根屈筋
③深指屈筋
④尺側手根屈筋
⑤浅指屈筋
の五つがあります。
これらの筋肉に炎症が起こった場合
手関節の掌屈や手指の握る動作時に
痛みを発することになります。
内側型野球肘を起こしやすいフォームとして
①肘が下がっている
②上体が横に倒れている
③リリース時に手首より肘が前に出ている
などがあります。
損傷が筋肉にある場合は1〜2週間
骨・軟骨の場合は1ヶ月
靱帯の場合は1ヶ月半ほどの
安静期間が必要となり
完全復帰までにはその倍の期間が必要です。
外側型野球肘
投球時において、外側では腕橈関節に対して圧迫力が加わり
上腕骨小頭への繰り返しの機械的刺激によって
損傷が起こることで発生します。
肘関節は
①腕尺関節
②腕橈関節
③上橈尺関節
の三つで構成されていますが
腕橈関節は上腕骨小頭と橈骨頭窩より成り立っています。
腕橈関節における繰り返しの圧迫刺激は
上腕骨頭の軟骨下骨および関節軟骨が壊死させ
上腕骨小頭離断性骨軟骨炎を引き起こします。
離断性骨軟骨炎は治癒までに3〜6ヶ月を要し
内側型よりも重症な事が多いです。
外側型野球肘を起こしやすいフォーム
リリース手前で肘が外側に引っ張られる動きで発生します。
後方型衝突型野球肘
ボールリリース時に
上肢の動きが急激に減速されて
肘関節に強い伸展力が加わることで
肘頭と肘頭窩(上腕骨滑車)に衝撃が生じることで起こります。
症状が進行していくと
肘頭疲労骨折(骨端線離開)や肘頭窩遊離体(関節ねずみ)
などが発生します。
疲労骨折を起こしている場合は
治癒までに3ヶ月以上を要することになりますので
痛みを感じるようなら安静期間をとることが必要です。
後方型牽引型野球肘
牽引型では、リリース時上腕三頭筋に
過剰な力が入ることが発生し
初期には肘の裏側で張りを感じる程度の場合が多いです。
無理をして投げ続けると
上腕三頭筋に肘頭が引っ張られて骨端線が離開します。
危険なフォームとして
投球時に骨盤の回転が早くに止まってしまい
いわゆる「手投げ」の状態になっている姿勢は危険です。
関節ネズミについて
関節腔内に遊離した軟骨や骨性組織の総称を関節ネズミと呼ばれ
名前の由来は関節内をネズミのように動き回るためです。
関節鼠の原因となる疾患には
離断性骨軟骨炎
変形性関節症
骨軟骨骨折
などがあります。
関節面に挟まり込むと
激痛や関節のロックが起きます。
筋肉へのアプローチ
内側側副靭帯への負担を軽減するためには
上腕骨内側上顆から起始する筋肉
①円回内筋
②橈側手根屈筋
③深指屈筋
④尺側手根屈筋
⑤浅指屈筋
の強化が必要です。
野球肘の発生初期には
内側上顆炎している場合も多く
筋収縮によって痛みを伴う場合も少なくありません。
そのため、患部のアイシング、安静にて炎症の早期鎮静化をはかり
痛みが落ち着いてから徐々に筋力トレーニングを開始していきます。
少年期で成長途中の骨には
まだ骨端線があるので無理な負荷をかけ続けると
骨端線で骨が剥がれてしまうので
正しいフォーム
筋肉に無理な緊張をさせない
痛みがあったら無理をせず安静
頑張っている子供の将来を潰さない為に
大人達の正しい知識が必要です。